日下病院 トップページ > 病気の話 > 尿路結石について
病気の話
尿路結石について
「尿路結石」とは
尿は腎臓でつくられ、尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を経て体外に排出されます。この尿の通り道を「尿路」と言い、そこに結石が詰まって尿の流れを妨げる病気を「尿路結石」と言います。結石の多くは、カルシウム含有結石で、全体の約8割を占めます。
「尿路結石」は、激しい痛みを伴います。痛みの原因は、尿路に結石が詰まって尿の流れが悪くなり、腎臓に尿が逆流して腎臓に尿が溜まる「水腎症」が起こるためです。
「尿路結石」の痛みは、初めは結石がある側の脇腹に起こります。その後、背中や大腿部にまで広がります。痛みは2、3時間続きますが、その間は数分おきに痛みが強くなるというように、痛みの強弱に波があるのが特徴です。
尿路結石の症状
腎結石
鈍い痛み・・・(ほとんど症状は出ないので、発見しにくい)尿の色もオレンジ色などで、なんとなく尿が濃い感じ?
尿管結石
尿路結石の中でも、特に痛いのがこの尿管結石!結石がある側のわき腹から下腹部にかけて、突然、刺すような激しい痛みが起こる。(痛みは2・3時間続く)濃い血尿・吐き気などを生じる場合もある。
膀胱結石
尿管結石ほどの、激しい痛みはないが、下腹部がチクチクと痛くなる。また、膀胱に結石があるために、トイレが近くなる。
尿道結石
尿を排出する時に瞬間的な痛み、血尿が出る。
治療
1:水分を多めにとり、自然排出を促す
「尿路結石」が疑われる場合、まず鎮痛剤で痛みを抑え、エックス線撮影や超音波検査で結石の位置や大きさを調べます。結石が8ミリメートル以下で尿が流れているようであれば、水分を多めにとり、利尿薬や尿管拡張薬などを服用し、自然に排出されるのを待ちます。
自然排出を促すために、積極的に体を動かすことも大切です。
2:積極的治療
結石が大きい場合には、体外から結石に衝撃波を当てて結石を砕き、尿とともに排出させます。(ESWL)
その他、内視鏡下の砕石等も必要に応じて行ないます。
予防
結石は、尿中の成分が結晶化してできるものです。したがって、体の水分が不足したり、疲労などで尿が濃くなると、結石ができやすくなります。また尿意を我慢するのもよくありません。水分を多めにとり、尿の量を増やすようにしましょう。
日頃から「食後にお茶を一杯よけいに飲む」ことを心がけましょう。
「尿路結石」ができた人の約半数は、10年以内に再発していると言われています。
一度「尿路結石」になった人は特に注意して、水分補給や疲労予防に努めましょう。
水分を多く取る
結石が生まれる瞬間は、尿が濃くなったとき!これからの季節、汗をかいたら水を飲むなど、体内の水分調節が必要!また、寝ている間、深夜から朝にかけて尿は濃くなる傾向にあるので、寝る前にも、コップ一杯の水を飲むようにする。
バランスの取れた食事
糖尿病の食事療法ほど、厳密にする必要はありませんが、結石を作りやすい成分、シュウ酸(ほうれん草など)を多く含む食べ物を取り過ぎないように心がける。全体の栄養バランスを考えた食事が望ましい。(カルシウムはそれほど気にしなくても良い。)